精神的な苦悩者を見て笑う者

「肉体的苦痛を感じている者を見ると笑えてくる者は、殺人者の脳と同じ」とある脳科学者が言った。
さすれば、家庭不和や経済的に苦しんでいる者を見ると笑えてくる者も同じ。

厳密に言えば、基本的には「同じ」だという事である。
程度の差の問題だが「脳」というより、環境によって作られた「感情処理回路」だ。
そして、「他人の苦痛や苦悩を笑う」反応については、程度の差はあっても、全ての人間の中にあるものだとする。

また、育った国の文化や習慣によって作られた「精神構造」とも言える。
ストレスの多い文化では、いじめて喜ぶ、それを恥とも思わない人間が多く育つと考える。
自分を守らなければ今後があぶないと思う強迫概念もその一つとする。
しかし、これは大差ない誰にでもある精神作用なのだ。
普段はテレビやネット、映画などに感情移入して、気持ちのリフレッシュを行うが、精神への圧迫が進むと、他人をどうかすることで喜びを感じるようになります。

そもそも、全ての人間のカラダには「成長因子」が存在する。
成長とは「増殖」と「破壊」を繰り返す…ということだ。
所謂、「骨の成長」とは、増骨細胞と破骨細胞が存在していることになる。
このことから、一方で破壊、もう一方で増殖。これが「成長」なのである。
同様に、精神作用にもこれがある。
親から引き継いだ遺伝子を使いながら、育ちの環境の中で「自分らしいパターン」を身につけていくのだ。
これには数種類あるが、大別すれば2歳までに完成する「基本パターン」と、その後の環境の中で身につくパターンである。

元々身についている「基本パターン」は、精神活動のその人らしい「反応回路」(感情処理ネットワーク)を構築するから「他人の苦痛を喜ぶ」ように作られることもある。
しかし、差はあるが、それは全ての人の中に、普通にあるものなのだ。

・平気でガムや吸殻、紙くずなどをどこにでも捨てる
・Hな映像にすぐ飛びつく
・異性に激しい衝動をむき出しにする
・高額な買い物、いじめて喜ぶ感情、実行してすっきりする思いを持つ
・主人公達の不幸や苦悩に感動するテレビドラマの方が視聴率を上げる
・小さなことですぐ感情が熱くなり行動する
・他人の気に入らない言動に即反応して激しい感情をぶつける

…など。

差はあれども、簡単に考えれば「プラス思考とマイナス思考」の両方が、人間の中に存在するのが「普通」ということである。
それに加えて、成長過程で「感情の処理回路」を基本的に「親」や「保護者」からコピーするから、そこに「その人らしさ」のパターン(回路)が出来る。

大概の人は、その中間に「安全装置」になるものを作り、感情の爆発を防ぐものだが、環境から得た「感情処理回路」により、その機能が単純だったり、年齢により消滅したりする。
よって、幼児が寝転び、手足をばたばたさせて、ほしいものを要求したり、年が進んで涙もろくなったり、怒りっぽくなるのはそのせいであると考える。

実例として、幼い頃に離婚によって父と別れた女性が、その後寂しさの中で病死した父親に惹かれ、寂しく駄目な男性ばかりを恋人にし、借金地獄の中でその人を支える事に喜ぶ…父に出来なかったことをしている気分。
また、賛成、反対の渦中にあり激しい政治ストレスの中で活動する市のトップが、女性の下着の中に手を入れスキャンダルとして公表される。
公表すれば自分の恥が噂として多くの人に知れ渡るが、そこに快感を感じる。

もちろんこれには、大金や、リスク以上の「何か」があるとは思うんだが…。

しかし、これは「精神がケリをつけたくなって、リフレッシュを望んだ」結果と言える。

各国首脳の性的スキャンダル、エリート達のフェチ的性嗜好を頂点に、不倫願望、性的フェチ実行願望などは、誰の中にも普通に存在します。
追い詰められれば、ストレスをリフレッシュするために「感情処理の安全装置」を開放し、浮気、不倫、暴力、いじめ、過食、拒食、犯罪、殺人に走るのは、だれに起こっても不思議ではないのである。
そして、遺伝子が傷つき、それは子供に、社会に受け継がれる。
遺伝子が心臓の回転数を決定するように、それに応じて精神作用も動くのである。

極論を言えば『脳が、自分の生き残りのために、カラダや精神を犠牲にする』手段をとるということだ。
「失神」とはまさに、脳の我儘なのである。

結局、「他人の苦痛を笑う」のは、その人の生きてきた社会影響によるものなのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です